治るの!?】
2000年に入る前頃から人知れず統合失調症という精神病にかかり、約20年の経過後の2019年、中心的な症状(情報全公開状態=思考伝播の妄想)が消えるという経験をしました。
今年2022年の春、身体からの要請で完全に断薬(薬を飲まなくてよい状態)となり、心も身体も少しずつ、安心できる状態へと移行してきました。
社会復帰をしようとしている過程で、自分のことを何らかの形でまとめた方がよい、と思ってきましたが、私自身が、この病気の最中にずっと自分自身に検証してきたなかで、気づいたことがたくさんありました。
それを、この病気にかかったもしくはかかっている方のためというよりは、
そうした方々の周囲で、
家族や友人・知人として見守っておられる方のために、
お知らせしたい、
と思いました。
この病気には、どんな理由でかかるのか。
そして、この状態とともにある人が、どんな世界に住んでいるのかについて。
この状態にある方々は、自分なりの理由で、この状態に取り組んでいます。
それは、その人にしか背負えない状態ですし、その人自身が抱えておられる大切な課題でもあります。
ですから、「この状態」というのが、どんな状態であるのか、ということを、周囲で見守っておられる方々に、ぜひ知っていただきたいのです。
見守る態度によって、この病気は、おそらく全く姿を変えていきます。
常識からすると、極端かもしれない不可解な行動や発言に、苦しんでおられる方々も、おいでかもしれません。
私は、周囲の方々にこそ、できるだけ楽な気持ちでいていただきたいですし、間違ってもご自分やご家族を責めたりしないでいただきたいのです。
「heal yourself」。
ここのページタイトルは、そう名付けました。
まず、周囲の方々が、
ご自分を癒やしてくださること、
安心していただくこと、
それが「この状態」にある方々にも、
必ず通じていきます。
まだ社会活動がままならない身ではありますが、一人のこの病の経験者として、一つのサンプルとして、この本を通じて、お伝えします。
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期せずして、20年間、この病気と関わり、その間、治る見込みもない状態で、ずっと自分を実験台のようにして検証を続けた、その成果を記すことで、自分を含めて少しでも心の痛みや苦しみが癒やされる方が増え、この病気への過剰な偏見が解かれることを祈って。
湧川久深
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お知らせの第1号の発行が、大変遅れました。
メルマガをご登録いただきました告知ページを公開後、少し私のごく身辺で、本名で出版することについて、自覚を促される出来事がありました。
そこから、少し一人になって考える期間を設け、周囲にも相談し、改めて本名で、この本に関する活動をすることに決めました。
社会から長く離れていた存在が、そこに復帰するというとき、自分にとっても周囲にとってもいろいろな確認が訪れてくるというのは、当然の成り行きなのだと思います。
一人でいる時間に、とても多くの、人生における振り返りや整理整頓が起こっており、今回の出版を決めてからのちに起こるこうしたことも、私にとっての大切なリハビリの一環になっているのだと気づき、このような機会をいただけていることに、本当に感謝しております。
*
さて、第1号でお届けする予定だったものを、予定通り、お送りします。
上記の画像は、無事にご覧いただけているでしょうか(テキストのみのバージョンでは表示されません)。
画像に記したことは、本書を出版することを思いついてすぐに、思いついて、決めたことでした。
当事者の方のことを、
この本では
「あなたの大切な人」
と呼びます。
この病気が関わると、共有している世界が違いすぎて、ときに意思の疎通すら難しい関係になってしまうことがありますが、
表面上で何も通じていないように思えても、相手を想う気持ちは、お互いの魂にきちんと届いています。
同じ環境にいる者同士、例えば電車で隣り合う人同士が、まったく常識の異なる世界や、重要に感じることが異なる世界を生きていることがあるように、
あなたの大切な人も、この病によって、気づいたときにはすでに放り込まれていた、設定さえも分からないような異世界で、過酷な冒険を続けています。
*
では、また、ご連絡させていただきます。
季節の変わり目にて、どうぞご自愛ください。
湧川久深
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主に、お知らせのスタート後にご登録いただいた方々のための仕様ですが、前の号をお読みになりたいときなどにも、どうぞご活用ください。
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メルマガ第2号をお送りします。
第1号から早くも半月が経とうとしています。
皆さまお元気でいらっしゃいましたか?
まずご報告があります。
私の在住する区の、私の病気の家族会の会報に、今回の本の情報を、私からの投稿記事の形でご紹介いただくことができました。
長く母が繋いでいてくれた場所で、私自身はなかなか積極的に関わることはできていなかったのですが、会報の記事を母が適宜読ませてくれていて、参考になることもたくさんありましたし、今の主治医へのツテもここから生まれていて、とても感謝している団体であり媒体なので、大変光栄に思っています。
*
そんな状況の中、私自身は、この本を書くための素地のようなものを整える段階にいて、けっこうメンタル的には厳しいと感じるリハビリの状態にいます。
今日は、当初お届けしようと思っていた「知らない間に世界の設定が違ってしまった」という内容から、自分の今の状況に変えてお送りします。
*
病気の20年の間、私は、この病気の性質上ずっと一人で、病気を受け止めつづけてきました。具体的な症状が起こる理由や、これほどまでにキツイ思いをする理由などについて、徹底的に自分の中を検証してきました。
その成果をお伝えしようとして、本書を企画したわけですが、進むうちに私を出迎えたのは、「障害」というカテゴリーが持つ問題でした。
よく、障害者の社会復帰には、病気と付き合うだけでなく、障害という社会的困難と付き合わなければならない、という話を聞いてはいたのですが、私はここの部分を、本書を出版すること、それを読んでいただくことでクリアできると思っていました。
そうは簡単にいかなかった、というか、私自身=障害を抱えている自分自身が、障害に対する偏見を持ち合わせていることに気づいて、しばし呆然としました。
障害というレッテルは、つまりは「あなたのことは社会から疎外するよ」という宣言のような命名だと思うのですが、私は、自分の中の障害に該当する部分を、まさに自分で疎外しようとする側面があるのだなぁと。
自分で自分を疎外する、という行為は、実は今の日本ではわりと蔓延していて、そこが自己肯定感・自己信頼感の低さにつながっていると感じていますが、まさに自分の中の「社会に適応できない部分」を、私は自分で疎外しようとしていたのでした。
私は、この病気のことも、障害のことも、抵抗感のないものとして扱いたいわけではありません。どうやったって理解が及ばない(それは皆さんもそうだと思いますが、何より病気に陥った自分自身も)状態を、できるだけ分かりやすくする、こんなところまで理解が至りました、ということをお知らせしたい、ただそれだけです。
そんな気持ちで、また、執筆に取り組みます。
本日もお読みくださり、ありがとうございます。
今日は、私が今、滞在している土地で通りすがりに見かけた景色をはっておきます。
湧川久深
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メルマガ第3号をお送りします。
季節は立冬に入り、気温も下がってきましたが、皆さまお元気でいらっしゃいますでしょうか。
本日は、また少し嬉しいことがあったので、ご報告します。
そもそもこの本の企画は、私が今年の5月から所属していた、Kindle出版プロデューサーという講座内の、メンバー同士でお互いの出版をサポート(プロデュース)しあうという、オプション的なプロセスの中で思いつきました。
講座の皆さんに、私の今回の本の企画概要を提示して、プロデュースしてくださる方を募ったところ、3名の方が名乗り出てくださって、
お一人は、統合失調症の患者さんをケアする立場に長くいらした方、
お一人は、統合心理学(サイコシンセシス)を学ばれているシャーマン的立場の方、
お一人は、統合失調症のご家族をお持ちの当講座の先輩、
こうした素晴らしいメンバーが集ってくださいました。
最近、自分の回復過程の方が激しくて、なかなか本を書き進められなかったのですが、上記の先輩が設けてくださった、仲間でオンラインで集まってそれぞれに集中する時間(もくもく会と呼んでいます)に執筆を試みたところ、この病気で何が起こっているかについての部分がだいぶ書けました。
報告を兼ねて上記の皆さんに共有させていただいたところ、ご納得いただいたり、その内容が示す未来への指針や、素敵な励ましも、いただくことができ、とても安心いたしました。
こうした方々にも支えられて、この企画は大切に進んでおります。
今日の画像は、上記で執筆した(下書き段階です)一部を掲載します。
自分らしい人生を、
主に社会的な様々な要因で歩めなくなった
あなたの大切な人は、
自分が本当に生きる意味や、
自分にしかできないことを求めて、
無意識的に今の社会とは異なる
【設定】状態へと入ります。
今後もゆっくりでも執筆を進めていく所存ですが、もしかすると発表する媒体を、いきなり書籍にするのでなく、少しプロセスを踏ませていただくことになるかもしれません。
その件は、決まり次第、お知らせ致します。
本日もお読みいただき、ありがとうございます。
湧川久深
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メルマガ第4号をお送りします。
季節は冬至を迎え(前回が立冬でしたから、一節気過ぎてしまいました!)、陰極まりて陽に転ず、ということで、これからはいろいろあっても、いい方向に向かうに違いない、と勝手に考えております。
皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
*
前回、発表の場を、いきなり書籍にしないかもしれない、ということをお伝えしました。
その理由として、どうすれば私がたどりついている、病気を抜けたあとに見えている景色を、いちばん刺激の少ない形で、必要な方々に届けられるのだろう、ということ、その疑問への答えがなかなか出なかった、ということがあります。
この書籍の紹介文を、実家の区のこの病気の家族会の会報に載せていただいたあと、その件を会報の編集の方にご相談したり、自分でも考えた末、書籍に載せるままの言い方とは別に、私の日常的なことに織り交ぜて、書く予定だったことを連載させていただく、という結論に達しました。
第1回が、この年末に発行される会報に掲載予定で、私が順調であれば、月一で進んでいく予定です。
そんなわけで、いっぺんにはまとまった形になりませんので、こちらのメルマガにご登録いただいている皆さまには、会報に掲載されたものを、メルマガのお知らせの中に含めて、今後も送らせていただきます。
引き続きお読みいただければ幸いです。
湧川久深
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お知らせ第5号をお送りします。
2023年が明けました。昨年は、無謀にも書籍を企画しましたが、結果的に皆さまに繋がることができ、心強くなれた年でした。
前回お伝えしたことが本当に現実となり、昨年末、実家の区のこの病気の家族会の会報にて連載を開始させていただきました。
今回のお知らせの中で、第1回の全文をご紹介しております。
書籍に書く予定だった内容そのままではないものですが、季節の中で、ゆったり、私がお伝えしたかったことをお渡しできれば幸いのように思っております。
私自身は、まだリハビリ期間が続いており、自分でも想定しないような箇所を回復する必要性に迫られて、相変わらず、ときに号泣しながら、ときに安心を感じながら、進んでおります。
もはやこうなると、ゴールはないのかもしれません。病気であったときと同じように、自分に起こることを正直に受け止め、生きていくだけなのかもしれない、それもまた自分の人生なのかも、と思う日々です。
皆さまにとりましても、どうぞ良い一年となりますように。
*
(以下、会報より第1回全文掲載)
初めまして。buendiaと申します。スペイン語で「今日も良い一日」という意味です。
2000年に30歳で統合失調症に突入し、2019年夏に奇跡的に?最も症状のきつかった情報全公開の状態から解放されました。そこから少しずつ様々な側面でリハビリを進め、2019年末から徒歩で通える世田谷区内のクリニックに転院して軽い薬に移行、2022年6月に完全な断薬に成功しました。
その少し後に、自分の経験を何某かの形でお伝えすることができないかと模索しはじめ、個人でも執筆と作業が可能な、電子書籍の出版を思いつきました。
ご縁によりお力を貸してくださる方々が現れたり、私の周囲にいた、私と同じ病気のご家族がいらっしゃる知人などに背中を押してもらったり、こちらのさくら会の会報編集の丸山さまにもアドバイスをいただくなど、どうやってお伝えするのがいちばんよいのか、半年ほど紆余曲折しました。
その間、薬からの解毒作用(複数の治療者からの意見を総合すると、そういうことになりそうです)で、身体中が痛くなったり、食事ができなくなったり、身体中がかゆくなったり、身体での浄化を終えると、今度は身体にたまっていたらしい、ネガティブな思考や感情を身体の外に押し出そうとしているのか、過去の捉えなおしや、意味不明の号泣が続くといった、その時点では理由のつかない過程も歩んでいます。
結局、お伝えしたいのは「病や障害というのは、いかなるものもすべて、社会的な役目の一つらしい」といったことなのですが、いまだ様々な方面でプレッシャーに弱いため(特に、人の身体が怖いので、多くの人が集まる現地への長時間の出席は難しいです)、こちらの会報で、のんびり連載をさせていただくことになりました。
以後、よろしくお願い致します。
湧川久深
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メルマガ第6号をお送りします。
2023年も3月に入りました。連載は順調に掲載されていたのですが、こちらへの反映が遅れまして、失礼致しました。この間、なかなかにまた凄まじい想定外のリハビリ過程をたどり(←もはや笑うしかないレベルになってきました)、ようやく少し落ち着いたように感じることができてきました。
自分が、なかなか常識からすると異質な身体(脳というよりも身体全体が)のようだという自覚とともに、最近は五感が過敏な子どもたちも多くなっていることが分かり、むしろこれらは、未来の地球に対応するための「新しい身体」なのかも、と思ったりします。
今回は、病気の急性期の感覚について記した、連載の第2回をお送りします。
*
(以下、会報より第2回全文掲載)
buendia と申します。スペイン語で「今日も良い一日」という意味です。
これを書いている本日は2022年12月31日、今年も暮れようとしております。前月の会報 からこちらの連載が始まり、できあがった紙面を拝見して親とともに喜ぶことができました。お読みくださった方々には感謝申し上げます。
この会報は、のんびりと紙媒体で進みますが、現代は情報の流通に関してはネットが盛んで、個人発信も自由になり、情報に対する意識も格段に上がっています。ある種、情報に対し て過敏であったり、過剰であったりといった感覚も、個人的には持っています。
私が発病したのも、ちょうどネットが一般化する 2000年頃で、私は当時、まるで自分のパソ コンの(今のノートブック形式のようなものはなく、大型のモニタを使ったデスクトップでした)釜の底が抜けたように感じたものです。実は、この感覚が、私の病気=統合失調症の典型症状である、情報全公開状態(=自分の情報がどこへでも流れて行ってしまって、自己のセキュリ ティ的な側面で強烈な危機感を持っている状態)への幕開けだったような気がしております。
あまりに危機的なので、そうした切羽詰まった状況にあることすら、危なくて共有できないというのか、まるで、ゲームで言う「どうぶつの森」シリーズ(アニメのキャラクター的などうぶつたちと森で楽しく暮らすゲーム)の世界から、現実の見かけは変わらないのに、自分が置かれている世界の設定だけが知らない間に突如「バイオハザード」(確かゾンビと戦いつづけるゲー ム)になってしまったような感じといえばいいのか……。
その自分に起こった異様な変化への気づきから、自分のこのゲームにおけるキャラクター設定=自分の役割を確認しようとするのだけど、次から次へと設定への新たな気づきが起こって、状況が変化するので、それに対応しようとするだけでパニックすれすれ、みたいな。
急性期を一部だけ切り取るなら、そんな感じでした。
2023.2.1 SSKU さくら会お知らせより(母撮影)
湧川久深
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メルマガ第7号をお送りします。
本日で3月も終わりますが、このひと月はだいぶ長く感じた、というか、たくさんのことが起こりました。21日には春分の日(宇宙元旦)を迎え、体調に刺激を感じた方も多かったのではないでしょうか。皆さまどうぞ、折にふれて、自愛ができているかお確かめになってみてください。
今回は連載第3回、病気が治ったときに個人的に起こったターニングポイントの話をしております。
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(以下、会報より第3回全文掲載)
buendia と申します。スペイン語で「今日も良い一日」という意味です。
今日は、私が2019年夏に、病気が突然訪れた晴れ間のように明けたときのことを書いてみようと思います。
ここに至った要因はおそらく一つではなく、ですから、皆さんの大切な方(当事者の方のことを私は書こうとしていた本で、「あなたの大切な人」とお呼びしようと思っていました)がもし病から抜けるときの参考には、必ずしもならないかもしれませんが、一例としてお読みいただければ幸いです。
前回書いたように、この病気に入ると、「世界の設定がまったく変わってしまう」という経験をしますが、だいたいにおいて危機感から発生している状態なので、自分でコントロールできる環境下ではありません。なので、基本「常に翻弄されている」感覚で生きています。
私にやってきていた主症状である【情報全公開状態】では、自分の心の中がすべて外部と共有されてしまうため、私は自分や自分の体調について以外のことでネガティブな感情を持つことを、自分にずっと禁じていました。けれど、その夏のある日、ネットを流れてきた、とある知らない人の書いた記事に対して、私は自分でも驚くほど、強烈な怒りを覚えたのです。自分を止める間もありませんでした。そしてその怒りで、私は自分を取り戻した=世界に対する主権を自分に取り戻しました。同時に、病も消えました。
世界的にも有名な童話ムーミンの物語の中に、ニンニという少女が登場する箇所があります。ニンニは家であまりにも非道い扱いを受けたことで、身体が透明になってしまいます。ムーミン屋敷にやってきたニンニは、ムーミンたちの温かさで身体を取り戻しますが、どうしても顔が出てこない。あるとき、大好きなムーミンママが非道い扱いを受けている(それは誤解だったのですが)と思い込んだニンニが相手に噛みついたそのとき、ニンニは顔を取り戻します。
私は病気になる前からこのエピソードを知っていましたが、自分の身に起こるとは想像していませんでした。
2023.3.1 SSKU さくら会お知らせより
湧川久深
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メルマガ第8号をお送りします。
体調のアップダウンが激しいときがあり(部屋から出られなくなるなど笑)、ご連絡が遅くなりました。
連載でもハプニングがあり、同じ内容が2回掲載されたため、4月末に新しいものを読んでいただきました。
今回は連載第4回、私の病気中にも起こっていた「部屋の片付けが全くできない状態」のことを書いております。
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(以下、会報より第4回全文掲載)
buendia と申します。スペイン語で「今日も良い一日」という意味です。
さて今日は、この病気にかかっている多くの「あなたの大切な人」も陥っていると推察する、片付けられない病について、書こうかと思います。
私は元々片付けが得意なタイプではありませんが、発病前から治るぎりぎり前くらいまで、凄まじく散乱した物たちのなかで暮らしていました。
これには大きく分けて二つの自覚可能な理由があって、一つは、情報全公開状態で自分から情報が出ていってしまうのを、部屋の中に少しでも物を多くして抵抗要素を増やし、情報流出を軽減させる意味がありました。
二つめが、こちらが主な理由になっている方が多いかと思いますが、セルフネグレクトと呼ばれる状態でした。私が発病する原因の一つとなった、孤独死したときの実父の部屋や仕事場の状態が、まさにゴミ屋敷で、部屋の片付けを一緒に手伝ってくださった業者の方が、実は意外と多いケースだと教えてくださいました。しかも、硬い、特に奉仕系の仕事の一人暮らしの方に多いらしい。
父のことを知るために当時いろいろ調べて、このセルフネグレクトという状態を知りました。これは文字通り、自分を無視する・受け入れない、という意味です。部屋の散乱具合が、頭の中の状態をそのまま表現しているとはよくいわれることですが、自分の脳内が、整理できないくらいに混乱している、もしくは思考停止している場合に、この状態が発動します。
対処法としては、外側から片付ける方法が一般的ですが、私は反対に、頭の中を整理することで自然と、脳内と部屋内の断捨離が同時に進むようになる感覚を持っています。
自分がどれほど、特に潜在的に痛めつけられているかを(それは外部からというよりもむしろ自分自身によって)、すべての流れをいったん止めて、安心できる状態で受け止める、そのことについて自分と話し合ってあげること。自分を丁寧にいたわってあげること。そんなことが、私をゴミ部屋から復活させたのでした。
2023.5.1 SSKU さくら会お知らせより
湧川久深
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メルマガ第9号をお送りします。
ご無沙汰いたしました!6月初旬にご縁があって、深いトラウマの治療法に出会い、移住をしたため、あっという間に2カ月が経過してしまいました。連載は、前回記したように、連続で(第4回と第5回)同じものが掲載されていたので、新規のものはなかったのですが、何かお送りしようと思っていたのに完璧に失念!! 楽しみにしてくださっていた方には、申し訳ありませんでした。
上で書いたトラウマの治療とは、身体への物理的なアプローチもあるのですが、いちばんは、自分が過去に気づかずに抑圧してきてしまった我慢や感情を認めて、自分に「もういいよ、大丈夫だよ」って言ってあげる、過去の自分に「無理させてごめんね」って謝って、許してもらって、自分を、ただひたすら自分のために、大事にするって決める、そんなことの繰り返しです。思い込みが激しいところを解除するので、わりと壮絶にツライです笑笑。
さて、今回は連載第6回、昨年6月に薬がやめられたときのことを書いております。
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(以下、会報より第6回全文掲載)
buendia と申します。スペイン語で「今日も良い一日」という意味です。
今日は、昨年(2022年)6月に薬をやめられたときのことをお話しようと思います。リハビリ開始から3年、社会復帰を目指して、かつての職業である書籍編集界隈の現在の様子を覗いてみようと、電子書籍制作の講座に飛び込みました。
そこの代表が、毎朝「こんな心持ちで毎日を過ごすといいよ」というような内容の短い声の録音を送ってくださっていて、実はこの声を聞いているうちに、ああ、自分はきっともう薬のいらない身体なんだって、ある日ふと確信したのです。薬をやめてからはいろいろな解毒反応が起こって、数か月、講座には出席できないほどでしたが、そのまま結局、薬は必要なくなりました。
ここで何が起こっていたかというと、この講座の代表は、徹底的にご自分自身でいる、という態度を貫かれていました。その方の声を聞くうちに (内容も多分大事でしたが、いちばんは声が持つ、態度の波動のようなものでした) 私も自分自身を取り戻すようチューンナップされた、ラジオ で言うような、ダイヤルを合わせることができたのです。これを専門用語的にはマインドセットと言います。
これは、実はうちの母も、言葉にはせずに同じようなことを起こしてくれていたなぁと今頃気づきました。 母は徹底的に自分自身でいることが得意な人で、私が病気の間ずっと、私もそうでい られるような波動を、身近で発しつづけてくれていました。
病気になるとは、 自分らしくいられなくなることの象徴的な現象でもあります。あなたの大切な人は、本当の自分を、病を通して取り戻そうとしています。そのときに、ご家族の皆さんは、病の状態に気持ちを合わせるのではなく、自分は常に自分でいてあげること、それが病にかかった 人が自分を取り戻すのに、精神的に最高の指標になるようなのです。
2023.7.1 SSKU さくら会お知らせより(母撮影)
湧川久深
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メルマガ第10号をお送りします。
記念すべき第10号です!!いつもお読みくださり、ありがとうございます。
トラウマの治療は順調です。ためてきたつらさを解放するために、ところ構わずたくさん泣くので、日焼け止め以外のお化粧がほとんどできない憂き目に遭っておりますが笑、精神的にも外見的にも、あんまり「盛る」必要を感じなくなってきました。
本日は、連載第7回、病気が悪化中に料理が全然できなかったので、ゲームで段取りの練習をしたよー!という話をしております。
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(以下、会報より第7回全文掲載)
buendiaと申します。スペイン語で「今日も良い一日」という意味です。
6月初旬から、偶然のご縁で人生初訪問した日本海側、つまり日本の中でも私が生まれ育ったところとは正反対の土地で、幼い頃から積もった心の傷の治療をするために、半年ほど住むことになりました。
単身で住むとなると、自分に食事を用意すること、つまり最低限の料理は欠かせないわけですが、今日たまたま、流れるように淡々と(心の中は楽しく)料理をしながら、ふと、病気から3年目に病状が悪化して実家に戻ると同時に強い薬になった頃から、15年目くらいまでは、ほとんど料理ができなかったなーと思い出しました。
一応、食事担当の日があったのですが、とにかく、材料を用意するのも、台所に材料を並べて、さて何からとりかかろうかとするのも、頭に道筋が全然思い浮かばないんです!!これには本当にびっくりしました。
「段取りができないというのが典型症状の一つだそうよ?」って、母親は寛容にみてくれていましたが、あまりにショックだったので、病気に入った頃に「社会から遠ざかりすぎないように」って知人に勧められて始めていたオンライン RPGゲームの中で、自分をゲーム内のアバターとして操りながら、少しずつ、ごく簡単な、自分がこうしたい、と思うことを、改めて丁寧に、実行するようにしていきました。
料理というと、義務感や自分だけじゃすまない感がありますが、自分が遊びたい=ゲーム内でこういうふうに行動したいと思っているだけだと、やる気もプレッシャーも違うんですよね。悪化した当時は、ゲーム内でも頭があまり働かずに固まっていましたが(笑)、現実と比べて、ゲーム内というのは抽象度が高く、はるかにいろんなものがざっくりとできていますから、リハビリにはちょうどよかった気がするなど(ゲームは結局7年くらいで卒業しました)、そんなことを今頃、思いました。
2023.8.1 SSKU さくら会お知らせより(母撮影)
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